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2026.09.26
太陽光と蓄電池で電気代ゼロは可能?達成条件とシミュレーション
「太陽光と蓄電池を入れれば電気代はゼロになります」。
提案の場でそう説明を受けた方は多いはずです。
ところが実際に導入したお宅の請求書を見せていただくと、金額がゼロになっていることはほとんどありません。
減ってはいるものの、思い描いていた「ゼロ」とは違う。
この落差が、後になって「話が違う」という不信につながります。
理由ははっきりしています。
- ・電気を1kWhも買わなくても、契約している限り基本料金は請求される
- ・買った電気には再生可能エネルギー発電促進賦課金が上乗せされる
- ・昼につくった電気を夜まで持ち越せる量には限りがある
つまり「ゼロ」と呼ばれているものが、請求額そのものなのか、売電収入と差し引きした実質なのかで、話がまったく変わります。
この記事では、電気代ゼロの定義を3つに切り分けたうえで、どこまでなら現実に狙えるのかを月別のシミュレーションで検証します。
Contents
太陽光と蓄電池を入れたのに電気代がゼロにならないと感じる人が多い

導入後に「思っていたのと違う」と感じる方には、共通したパターンがあります。
- ・導入後の請求書を見て「思ったより減っていない」となるケース
- ・「電気代ゼロ」には3つの意味がある(請求ゼロ・実質ゼロ・収支プラス)
- ・販売時のシミュレーションと実際がずれる主な原因
まずは実際に起きていることから確認します。
導入後の請求書を見て「思ったより減っていない」となるケース
ご相談で特に多いのは「入れる前は月1万3千円だったのに、いまも8千円払っている」「ゼロになると聞いていたのに、冬は前とあまり変わらない」というお声です。
総務省統計局の家計調査によると、2025年平均で二人以上の世帯の電気代は1か月あたり13,218円でした。
この水準から8千円まで下がっていれば削減効果は出ているのですが、「ゼロ」を期待していた方にとっては期待外れに映ります。
出典:総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 年次2025年
問題は効果が出ていないことではなく、最初に示された前提と実際の暮らし方がずれていることです。
「電気代ゼロ」には3つの意味がある(請求ゼロ・実質ゼロ・収支プラス)
同じ「ゼロ」という言葉が、3つの異なる状態を指して使われています。
| 呼び方 | 意味 | 現実性 |
|---|---|---|
| 請求ゼロ | 電力会社への支払いそのものが0円になる | 基本料金が残るため、ほぼ不可能 |
| 実質ゼロ | 買電額と売電収入が釣り合い、差引の負担がほぼ0になる | 条件が揃えば狙える |
| 収支プラス | 売電収入が買電額を上回り、手元にお金が残る | 発電量に対して使用量が少ない家なら可能 |
多くの広告が使っているのは2つ目の「実質ゼロ」です。
ところが読み手は1つ目の「請求ゼロ」を想像します。
このずれが、導入後の落胆の正体です。
販売時のシミュレーションと実際がずれる主な原因
提案書の試算は、多くの場合「年間発電量の見込み」と「現在の電気使用量」だけで組み立てられています。
実際の削減額を決めるのは、発電した電気のうちどれだけを自宅で使えたかです。
日中ほとんど在宅していない家では、つくった電気の多くが売電に回ります。
売電単価が買電単価より低ければ、その差額分だけ試算より効果が小さくなります。
試算に納得できないまま契約すると、この差が10年間続きます。
完全なゼロは難しく、現実的な目標は買電量を大きく減らすこと

結論から言うと、請求額そのものをゼロにするのは制度上できません。
狙うべきは買電量を大きく減らし、売電収入で残りを埋める形です。
- ・基本料金と再エネ賦課金は発電していてもかかり続ける
- ・売電収入で相殺する「実質ゼロ」なら現実的に狙える
- ・どこまで減らせるかを決める2つの数字
ひとつずつ確認していきます。
基本料金と再エネ賦課金は発電していてもかかり続ける
電力会社との契約を維持している限り、契約アンペアに応じた基本料金は毎月かかります。
太陽光がどれだけ発電しても、この部分は減りません。
もう1つが再生可能エネルギー発電促進賦課金です。
2026年度の単価は1kWhあたり4.18円と過去最高になりました。
これは買った電気の量に応じて上乗せされるため、買電を減らせば負担も減りますが、電気を1kWhでも買う限りゼロにはなりません。
出典:経済産業省 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します
つまり「請求ゼロ」を目標に置くと、必ず届かない目標を追いかけることになります。
売電収入で相殺する「実質ゼロ」なら現実的に狙える
一方、買電額を売電収入で埋める「実質ゼロ」であれば、条件次第で十分に射程に入ります。
2026年度に太陽光発電(10kW未満)を設置した場合、FITの買取価格は運転開始から4年目までが1kWhあたり24円、5年目から10年目までが8.3円という二段階の設定です。
初期に手厚く支援する形に変わったため、最初の4年間は売電で埋めやすくなっています。
ただし5年目からは単価が3分の1近くまで下がります。
この段差を前提に置いていない試算は、5年目以降の姿を映していません。
どこまで減らせるかを決める2つの数字
削減額を決めるのは、突き詰めると2つの数字だけです。
1つ目は買電単価です。
全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金目安単価は、令和4年7月22日の改定で1kWhあたり31円(税込)になりました。
買わずに済んだ1kWhは、この単価分の節約になります。
2つ目は自家消費率です。
発電した電気のうち、売らずに自宅で使えた割合を指します。
この数字が上がるほど、単価の高い買電を減らせます。
設備の価格や補助金より先に、まずここを詰めるべきです。
設備そのものの価格帯は「太陽光+蓄電池のセット価格はいくら?2026年最新の費用相場・補助金・回収年数を徹底解説」で整理しています。
参照:太陽光+蓄電池のセット価格はいくら?2026年最新の費用相場・補助金・回収年数を徹底解説
電気代ゼロを左右する自家消費率の考え方

自家消費率は、電気代ゼロに近づけるかどうかを決める最重要の指標です。
- ・太陽光だけだと自家消費率は3割から4割にとどまりやすい
- ・蓄電池を組み合わせると夜間の買電がどこまで減るか
- ・昼につくって夜使うというズレをどう埋めるか
- ・オール電化・エコキュートとの相性
順を追って整理します。
太陽光だけだと自家消費率は3割から4割にとどまりやすい
太陽光パネルが発電するのは日中だけです。
ところが一般的なご家庭の電気使用は、朝と夕方から夜にかけて山が来ます。
発電の山と使用の山がずれているため、太陽光単独での自家消費率は30〜40パーセント程度にとどまりやすくなります。
残りの6割から7割は売電に回ります。
24円で売って31円で買い戻す形になるため、1kWhあたり7円の差が積み上がっていきます。
蓄電池を組み合わせると夜間の買電がどこまで減るか
蓄電池を入れると、昼に余った電気を夜間に回せます。
これにより自家消費率は60〜70パーセント程度まで引き上げられます。
ただし無条件に上がるわけではありません。
蓄えられる量は容量の上限までで、季節によっては充電しきれない日も、逆に使い切れない日も出ます。
導入の可否判断や後付けの注意点は「蓄電池リフォームは後付けできる?費用・補助金・やめたほうがいい理由を徹底解説」で解説しています。
参照:蓄電池リフォームは後付けできる?費用・補助金・やめたほうがいい理由を徹底解説
昼につくって夜使うというズレをどう埋めるか
ズレを埋める方法は蓄電池だけではありません。
実務では、次の3つを組み合わせて自家消費率を押し上げます。
- ・洗濯機・食洗機・掃除機を日中のタイマー運転に回す
- ・エコキュートの沸き上げを深夜から昼間に切り替える
- ・夏と冬のエアコンを日中も弱めに連続運転し、夜のピークを下げる
とくにエコキュートの昼間沸き上げは、蓄電池を増設しなくても効果が出やすい設定変更です。
給湯は家庭の消費電力のなかでも大きな塊なので、ここを昼に移すだけで自家消費率が数ポイント動きます。
オール電化・エコキュートとの相性
オール電化住宅は、ガスに逃がしていた給湯と調理の分まで電気で賄うため、そもそもの使用量が多くなります。
使用量が多いほど太陽光で埋められる余地も大きく、相性は良い組み合わせです。
一方で注意点もあります。
オール電化向けの料金プランは深夜の単価が安く設定されている代わりに、昼間の単価が割高です。
太陽光を入れた後もそのままにしていると、昼に足りない分を高い単価で買うことになります。
オール電化との組み合わせは「オール電化+太陽光リフォームの費用はいくら?補助金・電気代・後悔しないポイントを解説」で詳しく扱っています。
参照:オール電化+太陽光リフォームの費用はいくら?補助金・電気代・後悔しないポイントを解説
太陽光と蓄電池を導入した場合の電気代シミュレーション

ここからは具体的な数字で検証します。
前提を明示したうえで、月別の動きと年間の収支を見ていきます。
- ・試算の前提条件(世帯・使用量・電力量料金・設備容量)
- ・月別に見る発電量と使用量のバランス
- ・太陽光のみと太陽光+蓄電池で削減額はどう変わるか
- ・売電収入を含めた年間収支の見方
まずは前提条件から確認します。
試算の前提条件(世帯・使用量・電力量料金・設備容量)
試算に使った前提は次の通りです。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 住まい | 宇都宮市の戸建て・4人世帯 |
| 年間使用電力量 | 5,000kWh(月平均約417kWh) |
| 買電単価 | 31円/kWh(電力料金目安単価・税込) |
| 太陽光の容量 | 5kW(年間発電量 約5,000kWh) |
| 蓄電池の容量 | 10kWh |
| 売電単価 | 1〜4年目 24円/kWh、5〜10年目 8.3円/kWh |
太陽光の年間発電量は、1kWあたり年間およそ1,000kWhという目安を使っています。
この数字には根拠があります。
気象庁の平年値で宇都宮の全天日射量は1日あたり13.0メガジュール毎平方メートル、年間ではおよそ4,745メガジュール毎平方メートルです。
これを電力の単位に換算すると年間約1,318キロワット時毎平方メートルになり、パネルの変換損失や配線損失を差し引くと1kWあたり1,000kWh前後に落ち着きます。
なお基本料金と再エネ賦課金は別途かかるため、以下の金額は電力量に対応する部分の比較としてご覧ください。
月別に見る発電量と使用量のバランス
発電量は気象庁の月別日射量の比率で、使用量は暖房需要を織り込んだ季節変動で配分しています。
| 月 | 発電量 | 使用量 | 太陽光のみの買電 | 太陽光+蓄電池の買電 |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 320kWh | 540kWh | 428kWh | 332kWh |
| 2月 | 360kWh | 510kWh | 384kWh | 276kWh |
| 3月 | 470kWh | 440kWh | 275kWh | 134kWh |
| 4月 | 525kWh | 380kWh | 196kWh | 39kWh |
| 5月 | 570kWh | 340kWh | 140kWh | 0kWh |
| 6月 | 480kWh | 340kWh | 172kWh | 28kWh |
| 7月 | 480kWh | 420kWh | 252kWh | 108kWh |
| 8月 | 495kWh | 450kWh | 277kWh | 128kWh |
| 9月 | 390kWh | 390kWh | 253kWh | 136kWh |
| 10月 | 345kWh | 350kWh | 229kWh | 126kWh |
| 11月 | 290kWh | 370kWh | 268kWh | 181kWh |
| 12月 | 280kWh | 470kWh | 372kWh | 288kWh |
| 年間 | 約5,000kWh | 5,000kWh | 約3,250kWh | 約1,780kWh |
注目していただきたいのは12月から2月です。
発電量が最も落ちる時期に、暖房で使用量が跳ね上がります。
蓄電池を入れても冬は買電が残るのは、この重なりが理由です。
逆に4月から6月は、発電が伸びて使用量が落ち着くため、蓄電池があれば買電がほぼ消える月も出てきます。
「年間で見ればゼロに近いのに、冬の請求書だけ高い」という感覚は、この構造から生まれます。
太陽光のみと太陽光+蓄電池で削減額はどう変わるか
同じ前提で、導入前・太陽光のみ・太陽光+蓄電池の3パターンを並べます。
| 項目 | 導入前 | 太陽光のみ | 太陽光+蓄電池 |
|---|---|---|---|
| 年間買電量 | 5,000kWh | 約3,250kWh | 約1,780kWh |
| 年間買電額 | 約155,000円 | 約100,600円 | 約55,100円 |
| 年間売電量 | なし | 約3,250kWh | 約1,780kWh |
| 売電収入(1〜4年目) | なし | 約78,000円 | 約42,700円 |
| 差引の負担(1〜4年目) | 約155,000円 | 約22,600円 | 約12,400円 |
| 差引の負担(5〜10年目) | 約155,000円 | 約73,600円 | 約40,300円 |
最初の4年間は、太陽光だけでも差引の負担が年間2万円台まで下がります。
売電単価24円と買電単価31円の差が小さいため、蓄電池を足しても差額は年間1万円ほどにとどまります。
流れが変わるのは5年目です。
売電単価が8.3円に下がると、太陽光のみは年間7万3千円台、蓄電池ありは年間4万円台となり、差は3万3千円ほどに開きます。
蓄電池の経済効果は最初の4年ではなく、5年目から本番を迎えるということです。
売電収入を含めた年間収支の見方
年間収支を見るときは、必ず2つの時期に分けてください。
1〜4年目と5〜10年目では、同じ設備でもまったく別の数字になるからです。
さらに11年目以降は、FITの買取期間が終わって卒FITに移行します。
東京電力エナジーパートナーの再エネ買取標準プランの買取単価は1kWhあたり8.5円(税込)です。
5〜10年目の8.3円とほぼ同じ水準なので、2026年度に設置した場合は「卒FITの崖」が5年目に前倒しで来ると考えると分かりやすくなります。
つまり、10年間の平均で判断するのではなく、5年目以降の姿で判断すべきです。
設置費用の回収年数の考え方は「宇都宮で太陽光発電を設置するにはいくらかかる?初期費用の相場と回収までの目安を解説」で扱っています。
参照:宇都宮で太陽光発電を設置するにはいくらかかる?初期費用の相場と回収までの目安を解説
太陽光と蓄電池は、業者によって提案する容量も試算の前提もまったく違う工事です。
試算に使われている自家消費率はいくつなのか、5年目以降の売電単価が反映されているのか、屋根の向きと影がどう織り込まれているのか。
ここを確かめないまま契約して「先に知っておきたかった」とご相談に来られる方も少なくありません。
太陽光と蓄電池の容量の選び方は、知っているか知らないかで10年間の差額が数十万円になります。
受け取らなければ損をするだけの内容なので、検討中の方は無料の現地調査・お見積もりを今のうちにご依頼ください。
宇都宮・栃木の日照条件で電気代ゼロはどこまで狙えるか

地域の条件は発電量を左右します。
ここでは宇都宮の気象データをもとに、実際の狙いどころを整理します。
- ・宇都宮の年間日照時間と月別の傾向
- ・冬に晴れの日が多い北関東の特性が発電に与える影響
- ・積雪・黄砂・パネルの汚れによる発電量への影響
- ・栃木県・宇都宮市で使える制度を踏まえた考え方
まずは日照時間から確認します。
宇都宮の年間日照時間と月別の傾向
気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、宇都宮の年間日照時間は1,961.1時間です。
全国的に見て突出して長いわけではなく、平均的な水準にあります。
注目すべきは月別の配分です。
12月197.4時間、1月211.7時間、2月193.3時間の3か月だけで602.4時間となり、年間のおよそ31パーセントを冬の3か月が占めています。
日照時間だけを見れば、最も長いのは1月です。
冬に晴れの日が多い北関東の特性が発電に与える影響
これは北関東の冬に晴天が多いという気候特性によるものです。
暖房で電気を最も多く使う時期に、太陽が出ている時間そのものは確保しやすいという点は、この地域の強みと言えます。
ただし日照時間の長さと発電量は同じではありません。
冬は太陽の高度が低く日射のエネルギー密度が下がるため、同じ地点の全天日射量は1月が1日あたり9.7メガジュール毎平方メートルなのに対し、5月は17.5と2倍近い差があります。
冬は「晴れているのに思ったほど発電しない」時期です。
この構造を理解しておくと、冬の請求書を見て慌てずに済みます。
積雪・黄砂・パネルの汚れによる発電量への影響
宇都宮市の平野部で積雪が続くことは多くありませんが、降った雪がパネルに残ると、その間の発電はほぼ止まります。
傾斜のある屋根では自然に滑り落ちることが多いため、無理に登って雪下ろしをするのは避けてください。
春先の黄砂や花粉、鳥のふんによる汚れも発電量を落とす要因です。
多くは雨で流れますが、傾斜が緩い屋根では汚れが残りやすくなります。
点検や清掃の考え方は「太陽光のメンテナンス費用はいくら?点検・交換・撤去の相場」で解説しています。
参照:太陽光のメンテナンス費用はいくら?点検・交換・撤去の相場
栃木県・宇都宮市で使える制度を踏まえた考え方
宇都宮市には住宅の省エネ設備に関する補助制度があり、内容は年度ごとに見直されます。
条件を満たせば補助の対象になる場合がありますので、着工前に必ずご確認ください。
最新情報は公式サイトでご確認いただくことをおすすめします。
制度の詳細は「宇都宮で太陽光発電を設置するなら補助金をチェックしよう!申請条件と手続きも解説」にまとめています。
参照:宇都宮で太陽光発電を設置するなら補助金をチェックしよう!申請条件と手続きも解説
補助制度は判断材料の1つにすぎません。
補助額に目を奪われて容量や向きの検討が甘くなると、10年間の差額のほうがはるかに大きくなります。
実際に設置した住まいの屋根の向きや形状は、施工事例で確認できます。
宇都宮の冬は、発電が落ちる時期と暖房需要が重なります。
この地域特性を踏まえずに全国一律の試算で提案されると、冬の買電が想定より膨らみます。
「もう少し早く相談しておけば、容量の選び方を変えられたのに」というご相談を何度も受けてきました。
判断材料がないまま進めてしまうことほど、もったいないことはありません。
太陽光と蓄電池で後悔したくない方は、検討段階のうちに無料相談をご活用ください。
電気代がゼロに近づかない家に共通する5つの原因

削減効果が伸びない家には、はっきりした共通点があります。
- ・原因1:蓄電池の容量が生活の使い方に合っていない
- ・原因2:日中の在宅時間が短く自家消費が伸びない
- ・原因3:電気の契約プランが太陽光向けになっていない
- ・原因4:屋根の向き・影・設置容量に無理がある
- ・原因5:卒FIT後の売電単価の下落を見込んでいない
1つずつ紐解いていきます。
原因1:蓄電池の容量が生活の使い方に合っていない
容量は大きければよいというものではありません。
夜間の使用量が3kWh程度の家に10kWhの蓄電池を入れても、使い切れない容量にお金を払うことになります。
逆に夜間に多く使う家で容量が小さすぎると、深夜に足りなくなって買電が発生します。
判断の基準は「日没から翌朝までに何kWh使うか」です。
ここを検針票と生活時間から詰めないまま容量が決まっている提案は、精度が高いとは言えません。
原因2:日中の在宅時間が短く自家消費が伸びない
共働きで日中に誰もいない家は、発電の山と使用の山が完全にずれます。
蓄電池がなければ、つくった電気の大半を安い単価で売ることになります。
この場合は、タイマー機能を使って日中に家電を動かす設計が効きます。
留守中でも洗濯機や食洗機、エコキュートは日中に回せます。
設備を増やす前に、使い方を昼へ寄せられないかを検討してください。
原因3:電気の契約プランが太陽光向けになっていない
意外と多いのが、契約プランの見直し漏れです。
深夜の単価が安いオール電化向けプランのまま太陽光を入れると、昼に足りない分を割高な単価で買うことになります。
太陽光を入れた後は、買電の時間帯が大きく変わります。
1年分の検針票で買電の時間帯別の傾向を確認し、プランを組み替えるだけで年間数千円から1万円台の差が出ることがあります。
設備投資ゼロでできる調整です。
原因4:屋根の向き・影・設置容量に無理がある
北向きの屋根に無理に載せる、隣家や電柱の影がかかる位置に設置する、屋根の形に合わない枚数を詰め込む。
こうした設計は発電量の見込みを下回る原因になります。
とくに影の影響は、季節と時間帯で変わるため現地で確認しないと分かりません。
図面だけで容量を決める提案には注意してください。
既存住宅への後付けで選べる方式は「太陽光・蓄電池を後付けする方法と費用!既存住宅で選ぶ3パターンとパワコン互換性チェック」で整理しています。
参照:太陽光・蓄電池を後付けする方法と費用!既存住宅で選ぶ3パターンとパワコン互換性チェック
原因5:卒FIT後の売電単価の下落を見込んでいない
最後が、単価の段差を織り込んでいないケースです。
2026年度に設置した場合、5年目から売電単価は8.3円に下がり、11年目以降の卒FIT水準とほぼ変わりません。
「1〜4年目の数字」で回収計画を立てていると、5年目に大きく狂います。
提案書を受け取ったら、必ず5年目以降の年間収支が書かれているかを確認してください。
書かれていない場合は、その場で出してもらうべきです。
電気代ゼロに近づけるために導入前後でできること

ここまでの内容を、実際の行動に落とし込みます。
導入前と導入後、それぞれにできることがあります。
- ・導入前:検針票のデータから必要な容量を逆算する
- ・導入後:家電の使い方と充放電の設定を見直す
- ・見積もりで必ず確認したい発電量の根拠と保証内容
- ・リフォームで消費電力そのものを減らすという選択肢
まずは導入前の準備から見ていきます。
導入前:検針票のデータから必要な容量を逆算する
最初にやるべきは、直近12か月分の検針票を並べることです。
月ごとの使用量が分かれば、冬のピークと夏のピーク、そして年間の総量がつかめます。
そのうえで、夜間の使用量を推定します。
時間帯別の実績が取れる契約なら、その数字がそのまま蓄電池の容量の根拠になります。
取れない場合でも、生活時間から夜の使用比率を見積もれば十分に精度は上がります。
この作業を飛ばして「4人家族なら10kWh」と決める提案は、根拠が薄いと考えてください。
導入後:家電の使い方と充放電の設定を見直す
導入後にできることは、大きく2つです。
1つ目は家電を昼に寄せることで、洗濯・食洗機・掃除・エコキュートの沸き上げを日中に移します。
2つ目は蓄電池の運転モードの見直しです。
多くの機種には売電を優先するモードと自家消費を優先するモードがあります。
売電単価が高い最初の4年間と、8.3円に下がる5年目以降では、有利なモードが変わります。
設置したときの設定のまま10年間使うのは、機会損失につながります。
見積もりで必ず確認したい発電量の根拠と保証内容
見積書を受け取ったら、次の4点を確認してください。
- ・年間発電量の見込みが、どの気象データと何度の傾斜角で計算されているか
- ・自家消費率を何パーセントで試算しているか
- ・5年目以降の売電単価が反映された年間収支になっているか
- ・パネル・パワーコンディショナ・蓄電池それぞれの保証年数と、出力保証の内容
とくに自家消費率は、業者によって30パーセントから70パーセントまで幅があります。
ここが違えば試算はまったく別物になるため、必ず数字で確認してください。
リフォームで消費電力そのものを減らすという選択肢
発電を増やす方向だけでなく、使う量を減らす方向も同じだけ効果があります。
1kWh減らせば、31円の買電をそのまま減らせるからです。
とくに効果が大きいのは窓の断熱です。
冷暖房は家庭の消費電力の大きな割合を占めており、窓からの熱の出入りを抑えれば冬の暖房負荷が下がります。
同じリアンコーポレーショングループの窓リノベ本舗 宇都宮店では、内窓による冷暖房効率の改善を専門に扱っています。
参照:窓リノベ本舗 宇都宮店 断熱内窓の設置で冷暖房効率アップ
蓄電池の容量を増やすより、断熱を先に手当てしたほうが費用対効果が高いケースは実際にあります。
設備だけで考えないことが、結果的に電気代を最も下げます。
太陽光と蓄電池の電気代についてよくある質問

ここまでの内容で残りやすい疑問を、5つにまとめました。
- ・Q. 太陽光と蓄電池で電気代は毎月いくら安くなりますか?
- ・Q. 蓄電池をつけたのに電気代が上がったのはなぜですか?
- ・Q. 電気代ゼロを狙うなら蓄電池は何kWh必要ですか?
- ・Q. 太陽光と蓄電池は何年で元が取れますか?
- ・Q. 停電したときはどのくらい電気を使えますか?
それぞれお答えします。
Q. 太陽光と蓄電池で電気代は毎月いくら安くなりますか?
本記事の前提(年間使用5,000kWh・太陽光5kW・蓄電池10kWh)では、買電額が年間約155,000円から約55,100円へ、月平均でおよそ8,300円下がる計算になります。
これに売電収入が加わりますが、5年目からは売電単価が8.3円に下がるため、差引の負担は1〜4年目が年間約12,400円、5〜10年目が年間約40,300円と変わります。
使用量や在宅パターンで結果は変わるため、あくまで目安としてご覧ください。
Q. 蓄電池をつけたのに電気代が上がったのはなぜですか?
まず確認したいのは、契約プランの変更と電力量料金そのものの値上がりです。
再エネ賦課金は2026年度に1kWhあたり4.18円と過去最高になっており、使用量が同じでも請求額は上がります。
次に運転モードです。
売電優先の設定になっていると、蓄えた電気を売りに回して夜間に買い戻す動きになる場合があります。
それでも改善しない場合は、家電の使用時間が夜に偏っていないかを確認してください。
Q. 電気代ゼロを狙うなら蓄電池は何kWh必要ですか?
基準は「日没から翌朝までに使う電力量」です。
夜間に5kWh使う家なら、余裕を見て6〜7kWh程度が目安になります。
ただし冬は発電量が落ちるため、満充電にできない日が続きます。
容量を大きくすれば冬の買電が減るわけではない点に注意してください。
まず検針票で夜間の使用量をつかむことが先です。
Q. 太陽光と蓄電池は何年で元が取れますか?
設備価格と補助金の有無で大きく変わるため一概には言えませんが、判断する際は必ず5年目以降の年間収支で計算してください。
1〜4年目の24円で全期間を試算すると、回収年数を短く見誤ります。
具体的な設備価格と回収年数の考え方は関連記事で扱っていますので、あわせてご確認ください。
Q. 停電したときはどのくらい電気を使えますか?
蓄電池の残量と、非常時に使える回路の設定によって変わります。
10kWhの蓄電池に半分の5kWhが残っていれば、冷蔵庫・照明・スマートフォンの充電・テレビといった最小限の使用で1日程度をしのげる計算になります。
なお、特定の回路だけに給電する方式と家全体に給電できる方式があり、後者は対応する機種と工事が必要です。
停電時にどこまで使いたいかは、機種選定の前に決めておいてください。
停電時の使い方や容量の考え方は、住まいの間取りと生活パターンで答えが変わります。
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太陽光と蓄電池は、一度設置すると屋根に10年以上載り続けます。
「試算の前提が違った」「他社で勧められた容量が最適だったのか分からない」。
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太陽光と蓄電池で電気代ゼロを目指すときのまとめ

電気代の請求そのものをゼロにすることは、基本料金が残る以上できません。
狙うべきは、買電量を大きく減らし、売電収入で残りを埋める「実質ゼロ」です。
本記事の前提では、太陽光5kWと蓄電池10kWhを入れた場合、年間の買電量は5,000kWhから約1,780kWhへ、差引の負担は1〜4年目で年間約12,400円まで下がります。
ただし5年目から売電単価が24円から8.3円に落ちるため、負担は年間約40,300円へ戻ります。
判断は必ず5年目以降の数字で行ってください。
宇都宮の年間日照時間は1,961.1時間で、うち12月から2月の3か月が約31パーセントを占めます。
暖房需要が高い時期に太陽が出ている時間は確保しやすい一方、冬は日射のエネルギー密度が下がるため発電量は落ちます。
この地域特性を踏まえた容量設計が欠かせません。
株式会社リアンコーポレーションは宇都宮市東簗瀬に拠点を置き、18年間の地域密着で13,000件以上の施工実績を積み重ねてきました。
不具合が起きたときの即日対応率は83パーセント、年間500件のアフターメンテナンスにも対応しています。
宇都宮市を中心に、さくら市・矢板市・真岡市・小山市・鹿沼市・大田原市など栃木県内の広い範囲で対応しています。
「試算のどこを疑えばいいのか分からない」「うちの屋根と生活リズムで何kWhが適正か知りたい」「冬の請求書が高い理由を確かめたい」。
こうしたご相談を、フリーダイヤル0120-974-365(10時から18時)またはLINEの簡易見積りで承っています。
なお、本記事の試算はいずれも一定の前提に基づく目安であり、実際の削減額は住まいの条件や使い方によって変わります。
買取価格・賦課金・補助制度の内容は年度ごとに変更されますので、最新情報は必ず各制度の公式サイトでご確認ください。
実際の設備を見て確かめたい方は、リアンコーポレーションの見学会・相談会でご確認ください。
売電単価は年度ごとに見直され、下がる方向で推移してきました。
設置が遅れるほど、高い単価で売れる期間そのものが短くなります。
迷っている間に条件が変わってしまうのは、避けたいところです。
ちなみに、宇都宮市・栃木県で太陽光と蓄電池をご検討中の方向けに、無料の現地調査・お見積もりを承っております。
お気軽にご相談ください。